【税理士監修】相続税と銀行の手続きガイド|口座凍結の解除と税務署に狙われる預金調査

2026年03月03日

こんにちは!相続サポート倶楽部です。
身近な方が亡くなった際、多くの方が真っ先に直面するのが銀行口座の問題です。「葬儀費用を下ろそうとしたら窓口で止められた」「銀行から税務署に情報が漏れるのか」といった不安の声をよく伺います。相続税の申告において、銀行預金は不動産と並んで最も厳しくチェックされる項目であり、手続きを一歩間違えると税務調査の対象になるリスクを孕んでいます。

本記事を読むことで、銀行口座が凍結されるタイミング、凍結解除に必要な書類、税務署が行う強力な銀行照会の実態、そして「名義預金」と疑われないための対策が具体的に理解できます。

この記事は、以下のようなご家族にぜひ最後まで読んでいただきたい内容です。

  • 家族が亡くなり、銀行口座が凍結されて困っている方
  • 亡くなった方の預金だけでなく、家族名義の口座も調査されるか不安な方
  • 相続税の申告が必要だが、銀行からいくら引き出したか正確に覚えていない方

銀行と相続税の正しい関係を知ることで、スムーズな遺産分割と確実な税務申告を実現しましょう。


銀行口座はいつ凍結される?相続発生後の流れと仮払い制度

結論から申し上げますと、銀行口座は金融機関が「名義人の死亡を確認した時点」で凍結されます。
理由として、亡くなった方の預金は「相続人全員の共有財産」となるため、一部の相続人が勝手にお金を引き出して使い込むなどのトラブルを防止する法的な要請があるからです。役所に死亡届を出したからといって自動的に銀行へ伝わるわけではありませんが、新聞の悔やみ欄や親族からの連絡によって把握されるケースが一般的です。

銀行口座の凍結に関する情報をまとめた表は以下の通りです。

項目 内容
凍結される範囲 普通預金、定期預金、投資信託、住宅ローンなどのすべての取引
預貯金の仮払い制度 遺産分割前でも「150万円(または法定相続分×1/3)」を上限に引き出し可能
凍結解除に必要なもの 戸籍謄本一式、遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書
公共料金の引き落とし 凍結後は停止されるため、早めに支払い口座の変更が必要

私が以前担当したお客様で、お父様が亡くなった直後に「今後の生活費が心配だから」と全額を引き出してしまった方がいらっしゃいました。後に他の親族から「勝手に使い込んだ」と疑われ、遺産分割協議が泥沼化してしまった事例があります。銀行口座の操作は、良かれと思ってやった行動でも親族間の不信感に繋がりやすいため、まずは専門家に相談し、法的な「仮払い制度」を正しく活用する行動が重要です。


税務署は銀行の履歴を「過去10年分」遡って調査している

「銀行の通帳を隠しておけば、税務署にはバレない」というのは大きな間違いです。
理由として、税務署は「国税通則法」に基づき、金融機関に対して強力な調査権限(銀行照会)を持っているからです。相続税の申告書が提出されると、税務署は亡くなった方だけでなく、その家族の口座についても過去5年〜10年分の入出金履歴を精査しています。

税務署が銀行調査で特に行う具体的な行動は以下の通りです。

  • 亡くなる直前の「多額の引き出し」がないか徹底的にチェックします。
    入院費用や葬儀費用の準備として引き出した現金であっても、手元に残っていれば「手許現金」として相続税の課税対象になります。
  • 定期的に一定額が家族の口座へ移されていないか確認します。
    「110万円以下の贈与だから大丈夫」と思っていても、通帳や印鑑を親が管理していれば「名義預金」とみなされ、相続税が課されます。
  • 収入と資産残高の「矛盾」をあぶり出します。
    過去の確定申告データから推測される蓄財額に対し、銀行残高が少なすぎる場合、「タンス預金」や「家族への隠し口座」がないか疑われます。
  • 解約済みの口座についても、その資金がどこへ流れたか追跡します。
    「証拠を消すために解約した」としても、銀行には10年分の記録が保管されているため、隠し通すことは不可能です。

実務の現場では、税務署から「3年前のこの500万円の出金は何に使われましたか?」とピンポイントで質問が来ることがあります。こうした質問に答えられないと、税務署の不信感を買うだけでなく、過少申告加算税などのペナルティを受けるメリット(税務署側)を与えてしまいます。通帳のコピーだけでなく、大きな出金についてはメモを残しておくなどの準備が不可欠です。


家族名義の口座に潜む「名義預金」のリスクと回避策

相続税の申告において、銀行預金で最もトラブルになるのが「名義預金」です。
これは、口座の名前は妻や子供、孫になっているものの、実質的なお金の出し手や管理者が亡くなった方(被相続人)であった預金のことを指します。税務署は「名前」ではなく「実態」で判断するため、これを漏らすと申告漏れとして重いペナルティが課されます。

名義預金と判定されないための具体的なチェックポイントは以下の通りです。

  • 贈与契約書を作成し、お互いが「あげた」「もらった」という認識を持っていますか?
    「内緒で貯めてあげていた」というのは、税法上は贈与ではなく、単なる名義借りとみなされるため注意が必要です。
  • 通帳、印鑑、キャッシュカードは「名義人本人」が管理していますか?
    おじい様が孫の通帳と印鑑を自分の金庫にしまっていたら、それは100%名義預金と判断されます。
  • 名義人本人が、その預金を自由に使うことができる状態でしたか?
    本人が口座の存在すら知らなかったり、暗証番号を知らなかったりする場合、実質的な支配権はないとみなされます。
  • 贈与税の申告をするなど、客観的に「贈与」とわかる形を整えていましたか?
    過去に贈与税を払った実績があれば、それは名義預金ではなく本人の財産であるという強力な反証資料になります。

私が経験した相談では、奥様が長年コツコツ貯めた「へそくり」が名義預金と判定された事例がありました。専業主婦で他に収入がない場合、その貯金の原資はご主人の給与であるとみなされるためです。こうした事態を避けるためには、日頃から正しい贈与の手続きを踏む行動、あるいは相続発生時に正直に申告に含める判断が必要です。


銀行手続きと相続税申告をスムーズに進めるためのステップ

銀行口座の整理から相続税申告までの実践的な手順です。

  1. 取引のある銀行をすべてリストアップする:通帳だけでなく、郵便物やティッシュ、カレンダーなどから隠れた取引銀行を探します。
  2. 「残高証明書」と「既経過利息計算書」を取得する:申告には亡くなった日の正確な残高(利息含む)が必要です。ネット銀行の場合はCSVデータを出力します。
  3. 直近5〜10年分の「取引推移明細」を取り寄せる:税務署が見るのと同じデータを自分たちでも精査し、大きな出金の使途を確認します。
  4. 名義預金の可能性を税理士と協議する:家族名義の口座の中に、亡くなった方の資金が含まれていないかプロの目でチェックを受けます。
  5. 遺産分割協議書に基づき、各銀行で解約・名義変更を行う:協議が整い次第、速やかに手続きを完了させ、納税資金を確保する行動を取ります。

まとめ

相続税と銀行の問題は、単なる事務手続きでは済みません。**「口座凍結」**という目前の課題から、**「過去の履歴調査」や「名義預金」**という税務上の高い壁まで、非常に専門的な判断が求められます。銀行窓口で言われるがままに手続きを進めてしまうと、後から税務署に申告漏れを指摘され、取り返しのつかない納税負担を招くこともあります。

銀行は顧客の情報を厳格に守りますが、税務調査の前にはすべてを開示せざるを得ません。だからこそ、私たち納税者側も、税務署と同じレベル、あるいはそれ以上に厳しく自分たちの銀行履歴を把握し、正しく申告する準備を整える必要があります。銀行手続きの煩雑さに翻弄されず、冷静に資産の全体像を整理することが、円満な相続の鍵を握ります。

相続サポート倶楽部では、煩わしい銀行の残高証明書取得の代行から、過去の通帳履歴の精査、名義預金のリスク判定まで、銀行に関連する相続業務を丸ごとサポートいたします。「どの銀行にいくらあるか把握しきれていない」「昔の大きな出金が不安だ」という方は、ぜひ一度無料相談にお越しください。銀行とのやり取りをスムーズにし、税務調査を恐れる必要のない完璧な申告書を一緒に作り上げましょう。

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