【税理士監修】税務署から「お尋ね」が届いたら?回答の書き方と無視できない理由

2026年02月28日

こんにちは!相続サポート倶楽部です。
相続が発生してから半年から1年ほど経った頃、税務署から一通の封筒が届くことがあります。表書きに「相続税の申告等についてのご案内」や「資産の譲渡に関するお尋ね」と書かれた、いわゆる「お尋ね」と呼ばれる文書です。突然の税務署からの連絡に、「何か悪いことをしたのだろうか」「すぐに税務調査に来るのか」と動揺してしまう方は少なくありません。

本記事を読むことで、税務署が「お尋ね」を送る本当の目的、届きやすい家庭の特徴、正しい回答の書き方、そして専門家に相談すべき判断基準が具体的に理解できます。

この記事は、以下のようなご家族にぜひ最後まで読んでいただきたい内容です。

  • ポストに税務署からの封筒が入っていて、どう対応すべきか困っている方
  • 「うちは相続税がかからない」と思っているが、回答に自信がない方
  • お尋ねに正直に答えると、かえって税金を取られるのではないかと不安な方

税務署の「お尋ね」に対する正しい知識を持つことで、余計な税務調査を呼び込まず、冷静に対処していきましょう。


税務署が送る「お尋ね」の正体と送付される目的

結論から申し上げますと、税務署の「お尋ね」は、納税者が相続税の申告が必要かどうかを本人に自己確認させるためのアンケートのようなものです。
理由として、税務署は亡くなった方の不動産登記情報や過去の収入データを把握しており、「この遺産額なら相続税がかかる可能性がある」と予測を立てているためです。申告が必要な人に申告を促し、申告が不要な理由をあらかじめ把握しておくことで、効率的に税金を徴収する狙いがあります。

「お尋ね」が届きやすいケースをまとめた表は以下の通りです。

届くきっかけ 税務署が見ているポイント
不動産の所有 亡くなった方が都心に土地を持っていた、または複数の物件があった
生前の高額所得 過去の確定申告から、多額の現預金を遺していると推測される
有価証券の保有 配当金の支払調書などから、株式や投資信託の保有が判明している
保険金の受領 保険会社から税務署へ「支払調書」が届き、高額な受領が把握された

私が以前相談を受けたお客様で、「うちは田舎の古い家しかないから大丈夫」とお尋ねを放置していた方がいらっしゃいました。しかし、税務署側は亡くなったお父様がかつて土地を売却した際の数千万円の行方を追っており、後日、厳しい税務調査に発展してしまいました。お尋ねが届くということは、税務署が「何かある」と踏んでいるサインであると認識し、慎重に対応する行動が重要です。


「お尋ね」を無視・放置することのリスクとデメリット

「お尋ね」自体には法的な回答義務はありませんが、無視を続けることは全くお勧めできません。
理由として、回答がない場合、税務署は「何か隠したい財産があるのではないか」という疑いを強め、実地調査(税務調査)の優先順位を上げてしまうからです。お尋ねの段階で適切に回答していれば防げたはずの調査を、自ら招き寄せることになりかねません。

お尋ねを放置する具体的なデメリットは以下の通りです。

  • 税務署の「マーク対象」となり、数年後に抜き打ちの税務調査が来る確率が上がります。
    調査官が自宅に来るストレスは相当なものであり、家族の精神的な負担も増大するデメリットがあります。
  • 申告が必要だった場合、「無申告加算税」などのペナルティが重くなります。
    お尋ねが届いた後に自主的に申告すればペナルティが軽減される場合がありますが、放置して指摘を受けた後では高い税率が課されます。
  • 「小規模宅地等の特例」などの有利な制度が使えなくなるリスクがあります。
    期限内に適切に申告することで初めて認められる控除が多く、放置によって数百万円単位の損をする行動に繋がります。
  • 銀行口座の動きをさらに詳しく洗われ、家族名義の預金まで疑いの目が向きます。
    「隠している」と思われることで、通常よりも厳しい基準で資産をチェックされるという心理的な守勢に立たされます。

実務上、お尋ねに回答しないことで「誠実な納税者ではない」というレッテルを貼られてしまうのが一番の痛手です。たとえ財産が基礎控除以下であったとしても、「これこれの理由で申告不要です」とはっきり回答する行動が、家族の平穏を守ることに繋がります。


正しい回答の書き方と注意すべき「財産評価」

「お尋ね」に同封されている「相続税の申告要否検討表」には、預貯金や不動産などの概算額を記入する欄があります。
ここで注意すべきは、適当な数字を書かないことです。税務署はすでにおおよその「正解」を持っています。本人が書いた数字と税務署の把握しているデータに大きな乖離(かいり)があると、それだけで不信感を与え、詳細な調査のきっかけになります。

回答書を作成する際の具体的なポイントは以下の通りです。

  • 預貯金は「亡くなった日の残高」を正確に記入してください。
    通帳を記帳し、端数までしっかり把握する行動が、誠実さをアピールする上で重要です。
  • 不動産の評価は「固定資産税評価額」ではなく「路線価」等で算出する必要があります。
    お尋ねの書類には簡易的な計算方法が書かれていますが、土地の形状による補正などを無視して低く見積もりすぎないよう注意が必要です。
  • 「名義預金」が含まれていないか、今一度家族全員の通帳を確認してください。
    自分たちでは家族のものだと思っていても、税法上は亡くなった方の財産とされるものが漏れていると、虚偽回答とみなされるリスクがあります。
  • 葬儀費用や借金などの「マイナスの財産」も漏れなく計上しましょう。
    プラスの財産だけでなく、引けるものを正しく書くことで、基礎控除以下であることを論理的に証明できるメリットがあります。

私が以前アドバイスした方は、ご自身で「5,000万円くらい」と回答しようとしていましたが、私が精査したところ、正確な評価額は6,500万円を超えていました。もしそのまま回答していたら、後から「過少申告」として厳しい追及を受けていたはずです。お尋ねへの回答は、いわば「簡易的な相続税申告」であると考え、正確な数字を出す準備が不可欠です。


お尋ねが届いた時に「税理士」へ相談すべき理由

「お尋ね」が届いた時点で、一度税理士のチェックを受けることを強くお勧めします。
理由として、一般の方が作成した回答書には、評価の誤りや有利な特例の見落としが非常に多いためです。税理士が中身を確認し、必要であればそのまま正式な申告書を作成することで、税務調査のリスクを最小限に抑えることができます。

税理士に相談する具体的なメリットは以下の通りです。

  • 「本当に申告が不要か」をプロの基準で最終判定してもらえます。
    基礎控除ギリギリのラインにいる場合、税理士による精緻な財産評価が「申告の要・不要」を分ける決定打となります。
  • 特例(配偶者控除や小規模宅地など)を適用した回答書の作成をサポートします。
    これらは「申告すること」が適用条件であるため、お尋ねへの回答だけで済ませて良いのか、正式な申告が必要なのかを正しく判断できるメリットがあります。
  • 税務署からの追加の問い合わせに対し、代理で対応することが可能です。
    税理士が窓口になることで、不適切な回答による藪蛇(やぶへび)を防ぎ、精神的なストレスを解消する行動に繋がります。
  • もし申告が必要だった場合、期限内であればペナルティなしで手続きが進められます。
    お尋ねが来た段階は、まだ「自発的な申告」が間に合うラストチャンスであることも多いのです。

お尋ねへの対応ステップ

税務署から「お尋ね」の封筒が届いた際の実践的な対処手順です。

  1. 封筒をすぐに開封し、回答期限を確認する:通常、数週間の猶予がありますが、早めの着手が肝心です。
  2. 亡くなった日の残高がわかる資料を揃える:通帳、固定資産税の通知書、保険金の支払通知などを集めます。
  3. 専門家の無料相談を活用する:自分で書き始める前に、税理士に「この財産状況でどう書くべきか」を聞いてみます。
  4. 回答書を丁寧に作成する:無理に財産を隠そうとせず、算出根拠を明確にして記入します。
  5. 控えを取って提出する:提出した内容を忘れないよう、必ずコピーを保管しておく行動が後の調査対策になります。

まとめ

税務署からの「お尋ね」は、決して怖い督促状ではありません。しかし、**「ただのアンケートだから適当でいい」**という油断は、将来の税務調査という大きなリスクを招きます。お尋ねが届いたということは、あなたの家庭の相続財産が「課税されるかされないかの境界線」にあり、税務署が注目しているという事実を真摯に受け止めるべきです。

正しく回答すれば、「申告不要」であることを税務署に納得させ、平穏な生活を取り戻すことができます。逆に、少しでも申告の必要性がある場合は、お尋ねへの回答をきっかけに適切な相続税申告を行うことで、重い加算税を回避する絶好の機会にもなります。

相続サポート倶楽部では、届いたお尋ねの内容を確認し、申告が必要かどうかの正確な診断を無料で行っております。回答書の書き方のアドバイスから、実際の相続税申告まで、税務署の視点を知り尽くしたプロが徹底サポートいたします。「これってどう書けばいいの?」「正直に書いて大丈夫?」と一人で悩まず、まずは私たちにご相談ください。あなたの不安を安心に変えるお手伝いをさせていただきます。

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