【2026年最新】相続税の改正で何が変わった?令和8年度税制改正と生前贈与の最新ルールを解説

2026年08月01日

この記事でわかること

  • ✓2026年の相続税改正の要点がわかります
  • ✓生前贈与7年ルールの時期がわかります
  • ✓今後見直すべき相続対策がわかります

2026年の相続・贈与では、「令和8年度税制改正」と、すでに始まっている過去の改正を分けて理解することが重要です。

令和8年度改正では教育資金の一括贈与制度の終了や事業承継税制の期限延長などが行われました。一方、生前贈与の加算期間を3年から7年へ延長する改正や、相続時精算課税の年間110万円の基礎控除は、令和5年度税制改正によるものです。

2026年の相続税・贈与税改正は何が変わったのか一覧で確認する

2026年は、すべての相続税制度が一斉に変わったわけではありません。令和8年度税制改正による変更と、令和5年度改正から段階的に影響が広がっている制度を分けて整理するとわかりやすくなります。

項目 主な内容 時期
教育資金の一括贈与 新規利用を終了 2026年3月31日で終了
法人版事業承継税制 特例承継計画の提出期限を延長 2027年9月30日まで
個人版事業承継税制 個人事業承継計画の提出期限を延長 2028年9月30日まで
一定の貸付用不動産 相続税評価方法を見直し 原則2027年1月1日以後
生前贈与の加算 3年から最大7年へ段階的に延長 2024年贈与分から影響
相続時精算課税 年間110万円の基礎控除を新設 2024年1月1日から

「2026年から生前贈与が突然7年分すべて相続税に加算される」という理解は正確ではありません。

2026年中に相続が開始した場合、暦年課税の生前贈与加算は原則としてまだ相続開始前3年以内です。

令和8年度税制改正で相続・贈与はどのように変わったのか

令和8年度税制改正では、教育資金贈与や事業承継に加えて、相続税における一定の貸付用不動産の評価方法も見直されます。

短期間で取得した一定の貸付用不動産は評価方法が変わる

被相続人などが相続開始前5年以内に、対価を支払って取得または新築した一定の貸付用不動産については、2027年1月1日以後の相続等から、原則として通常の取引価額に相当する金額で評価する方向の見直しが行われています。

課税上の弊害がない場合には、取得価額を基に地価変動などを反映した金額の80%相当額で評価できる取扱いも示されています。

相続直前の不動産購入による評価差を利用した対策は、従来以上に慎重な確認が必要です。

賃貸マンションや一棟アパートなどを相続対策として購入している方は、取得時期と利用状況を整理しておきましょう。

教育資金の一括贈与の非課税制度は2026年3月31日で終了した

祖父母や父母などの直系尊属から教育資金を一括して受け取った場合に、一定の要件のもと最大1,500万円まで贈与税を非課税とする制度は、2026年3月31日をもって新規利用が終了しました。

2026年4月1日以後に新たにこの特例を利用することはできません。ただし、2026年3月31日までに適用を受けた信託受益権や金銭等については、既存の教育資金管理契約のもとで制度が引き続き適用されます。

制度終了前に契約していれば無条件で全額が非課税になるわけではありません。贈与者が死亡した場合の管理残額や契約終了時の残額には、相続税や贈与税がかかる場合があります。

事業承継に関する相続税・贈与税の納税猶予制度も期限が見直された

中小企業の事業承継で利用される相続税・贈与税の納税猶予制度については、事前に必要となる計画の提出期限が延長されました。

制度 計画の提出期限 主な対象
法人版事業承継税制の特例措置 2027年9月30日 非上場会社の株式など
個人版事業承継税制 2028年9月30日 一定の個人事業用資産

法人版の特例措置そのものは、現行制度では2027年12月31日までの贈与・相続が対象です。計画提出期限が延びたからといって、事業承継そのものを先送りできるとは限りません。

生前贈与の「3年から7年への延長」は令和8年度改正ではない

検索すると「2026年の相続税改正で生前贈与が7年になった」と見えることがありますが、制度改正が決まったのは令和5年度税制改正です。

暦年課税による生前贈与について、相続税の課税価格へ加算する期間が従来の3年から最大7年へ延長され、2024年1月1日以後の贈与から新しいルールが関係します。

2026年中に相続が発生した場合:原則3年以内

2027~2030年に相続が発生した場合:2024年1月1日から相続日まで段階的に延長

2031年以後に相続が発生した場合:原則7年以内

生前贈与の7年ルールはいつから影響するのか経過措置を確認する

7年ルールは一度に7年間へ切り替わるわけではありません。経過措置により、対象期間は徐々に長くなります。

相続開始日 暦年贈与の主な加算対象期間
2026年12月31日まで 相続開始前3年以内
2027年1月1日~2030年12月31日 2024年1月1日から相続開始日まで
2031年1月1日以後 相続開始前7年以内

また、延長された部分、つまり相続開始前3年より前の贈与については、その合計額から総額100万円までを加算対象から差し引ける仕組みがあります。

年間110万円以下の贈与なら相続税にも関係しない、とは限りません。

暦年課税では、加算対象期間内の贈与であれば、贈与税の基礎控除110万円以下で贈与税がかからなかった財産でも、原則として相続税計算へ加算されます。

相続時精算課税には年間110万円の基礎控除が設けられている

相続時精算課税では、2024年1月1日以後の贈与から年間110万円の基礎控除が設けられています。この110万円以内の部分は、原則として贈与税がかからず、将来の相続時にも相続財産へ加算されません。

さらに、年間110万円を超える部分については、累計2,500万円までの特別控除を利用できる場合があります。

  • 年間110万円の基礎控除がある
  • 2,500万円の特別控除とは別枠である
  • 110万円以下なら原則として贈与税申告は不要
  • 選択後は同じ贈与者について暦年課税へ戻せない

特定贈与者が2人以上いても、年間110万円が贈与者ごとに使えるわけではありません。また、相続時精算課税を初めて選ぶときは、原則として相続時精算課税選択届出書の提出が必要です。

2026年の相続税・贈与税改正で影響を受けやすい人を確認する

今回の改正や過去の改正による影響を受けやすいのは、次のような方です。

  • 祖父母から孫へ教育資金をまとめて贈与したい方
  • 非上場会社や個人事業を後継者へ引き継ぐ方
  • 賃貸不動産を使った相続対策を検討している方
  • 毎年110万円程度の暦年贈与を続けている方
  • 相続時精算課税と暦年課税で迷っている方
  • 相続財産に不動産が多く含まれる方

特に目黒や自由が丘周辺のように不動産の比重が大きくなりやすい相続では、贈与額だけでなく、土地・建物の評価と将来の相続税を一緒に試算することが重要です。

2026年以降の相続税対策では生前贈与と不動産をまとめて見直す

相続税対策は、「毎年110万円を贈与すればよい」「不動産を買えば評価額が下がる」といった一つの方法だけで判断しないことが大切です。

今から確認したい5つのポイント

  • 過去7年程度の贈与履歴を一覧にする
  • 暦年課税と相続時精算課税を比較する
  • 教育費は必要な都度の贈与も含めて検討する
  • 賃貸不動産の取得時期と取得価額を確認する
  • 一次相続だけでなく二次相続まで試算する

制度が有利かどうかは、贈与者の年齢、財産額、相続人、贈与期間によって変わります。

「7年ルールがあるから生前贈与は意味がない」とも、「相続時精算課税が必ず有利」とも一律にはいえません。

相続税改正について不安がある場合は相続専門の税理士へ相談する

相続税・贈与税は、制度が改正された年と実際に影響が出る年が異なることがあります。特に2026年は、令和8年度税制改正と、2024年から始まった生前贈与の新ルールが並行しているため、情報を混同しやすい時期です。

目黒区緑が丘・自由が丘周辺で相続税対策を検討している方は、現在の財産だけでなく、過去の贈与履歴、不動産の取得時期、家族構成まで整理して相談すると、今後の方針を判断しやすくなります。

2026年の相続税改正に関するよくある質問

Q1. 2026年から相続税の基礎控除は変わりましたか?

令和8年度税制改正の主要項目として、相続税の基礎控除額そのものを変更する改正は行われていません。

一般的な基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。

Q2. 生前贈与は2026年から7年分さかのぼるのですか?

いいえ。2026年中に相続が開始した場合は、原則として相続開始前3年以内です。

2027年以降に対象期間が段階的に長くなり、2031年以後の相続から原則7年以内になります。

Q3. 教育資金の1,500万円非課税はもう使えませんか?

2026年4月1日以後、新たに制度を利用することはできません。

ただし、2026年3月31日までに適用を受けた契約については、一定のルールのもと引き続き制度が適用されます。

Q4. 相続時精算課税なら毎年110万円を完全に非課税で贈与できますか?

一定の要件のもと、年間110万円の基礎控除があります。

この範囲は原則として将来の相続税にも加算されません。ただし、制度選択の手続きや、同じ贈与者について暦年課税へ戻れない点には注意が必要です。

Q5. 2027年から賃貸不動産の相続税対策はできなくなりますか?

賃貸不動産が一律に不利になるわけではありません。

見直しの対象は、相続開始前5年以内に取得・新築した一定の貸付用不動産などです。取得時期、物件の利用方法、対象となる権利によって扱いが異なるため個別確認が必要です。

 

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