相続税はどこの税務署に申告する?提出先・相談できること・税務署から連絡が来るケースを解説

2026年08月09日

この記事でわかること

  • 相続税を提出する税務署の決め方がわかります
  • 税務署への相談と提出方法がわかります
  • お尋ねや税務調査との違いがわかります

相続税の申告先は、原則として相続人の住所ではなく「亡くなった方の死亡時の住所」を管轄する税務署です。

税務署では相続税について相談できますが、財産評価や特例の判断が複雑な場合は、自分だけで申告を進める前に税理士へ相談することも検討しましょう。

相続税はどこの税務署に申告するのかを最初に確認する

相続税の申告書は、亡くなった方(被相続人)の死亡時の住所が日本国内にある場合、その住所地を管轄する税務署へ提出するのが原則です。相続人が現在住んでいる地域の税務署を選ぶわけではありません。

申告先の判断基準=亡くなった方の死亡時の住所

例えば、相続人が神奈川県に住んでいても、亡くなった方が死亡時に目黒区に住んでいたのであれば、原則として目黒区を管轄する税務署へ相続税を申告します。

亡くなった方が国外に住んでいた場合などは提出先の扱いが異なることがあるため、個別に確認が必要です。

管轄税務署は相続人ではなく「亡くなった方の住所」で決まる

相続では、相続人がそれぞれ別の地域に住んでいることも珍しくありません。しかし、相続人ごとに別々の税務署へ申告するわけではなく、亡くなった方の死亡時の住所を基準に提出先を判断します。

ケース 基本的な申告先
亡くなった方:目黒区
相続人:世田谷区
目黒区を管轄する税務署
亡くなった方:品川区
相続人:大田区
品川区の死亡時住所を管轄する税務署
亡くなった方:港区
相続人:神奈川県
港区の死亡時住所を管轄する税務署

「自分の家に一番近い税務署」で判断しないように注意しましょう。

同じ区内でも複数の税務署に管轄が分かれている地域があります。国税庁の税務署所在地・管轄区域で町名まで確認すると安心です。

相続した不動産の所在地は申告する税務署を左右しない

相続した土地や建物がどこにあるかは、原則として相続税の申告先を決める基準ではありません。亡くなった方の死亡時住所が国内にある場合は、その住所地を管轄する税務署へ申告します。

例えば、亡くなった方が目黒区に住み、世田谷区・品川区・大田区に不動産を所有していたとしても、不動産ごとに各地域の税務署へ申告するわけではありません。

  • 亡くなった方の死亡時住所を確認する
  • その住所を管轄する税務署を調べる
  • 所有不動産の所在地とは分けて考える

相続税申告書はe-Tax・郵送・持参の3つの方法で提出できる

相続税申告書は、主に「e-Tax」「郵送」「税務署への持参」で提出できます。申告内容によってはe-Taxで提出できない場合もあるため、その際は書面で提出します。

提出方法 特徴 注意点
e-Tax オンラインで送信できる 利用環境や提出可能な申告内容を確認する
郵送 税務署へ出向かず提出できる 業務センターが郵送先になっている場合がある
税務署へ持参 所轄税務署の窓口へ提出する 開庁時間を確認して来署する

郵便または信書便で提出する場合、通信日付印の日が提出日とみなされる取扱いがあります。宅配便などを安易に利用せず、税務上の申告書が「信書」に当たることにも注意しましょう。

近年は税務署の内部事務が業務センターへ集約され、書面の郵送先が税務署所在地と異なるケースがあります。提出直前に国税庁の案内で最新の郵送先を確認してください。

税務署では相続税の制度や申告方法について相談できる

税務署では、相続税・贈与税・財産評価などについて電話相談を利用できます。また、書類や具体的な事実関係を確認しなければ回答が難しい相談については、所轄税務署で事前予約による面接相談を受け付けています。

税務署への相談が向いている内容

  • 相続税の基本的な制度を確認したい
  • 申告書の書き方や提出方法を確認したい
  • 財産評価の一般的なルールを知りたい
  • 税務署から届いた書類について確認したい

一方、税務署は相談者の代理人として財産を調査したり、遺産分割や相続税対策を設計したりする立場ではありません。土地評価、生前贈与、名義預金などを含めて申告方針を検討したい場合は、税理士への相談が向いています。

「制度を知りたい」のか、「自分のケースで最適な申告をしたい」のかで相談先を分けるとスムーズです。

税務署から「相続についてのお尋ね」が届く理由を知る

相続後、税務署から「相続についてのお尋ね」などの書類が届くことがあります。国税庁では、お尋ねが届いた方について「相続税の申告要否判定コーナー」を利用して回答用の申告要否検討表を作成できる仕組みを用意しています。

お尋ねが届いたことだけで、相続税が必ず発生すると決まったわけではありません。まずは財産総額を確認し、申告が必要かを判断することが重要です。

お尋ねが届いたら確認したいこと

  • 預貯金や有価証券の残高
  • 土地・建物の相続税評価額
  • 生命保険金や死亡退職金
  • 生前贈与や相続時精算課税の有無
  • 借入金や葬式費用などの債務控除

「申告不要だと思うから」と放置するのではなく、お尋ねに記載された内容と期限を確認し、必要に応じて回答や相続税申告を進めましょう。

「税務署からのお尋ね」と「税務調査」は同じものではない

税務署から連絡が来たからといって、すべてが税務調査というわけではありません。国税庁は、税務調査とは別に、文書・電話・来署依頼などによって申告内容の確認や自主的な見直しを促す「簡易な接触」や行政指導を行っています。

項目 お尋ね・簡易な連絡 税務調査
目的 申告要否や内容の確認など 申告内容や税額を具体的に確認する
方法 文書、電話、来署依頼など 質問・帳簿書類等の確認など
対応 内容を確認して回答・見直し 資料を整理して適切に対応

税務署は、調査なのか行政指導なのかについて、具体的な手続に入る前に納税者へ明示することとしています。

相続税申告では預金移動や申告漏れ財産も確認されやすい

国税庁は、資料情報などから申告額が過少と想定される事案や、申告義務があるにもかかわらず無申告と想定される事案について実地調査を行っています。令和6事務年度の公表事例には、死亡前に引き出した現金や、相続人・家族名義の口座への預金移動が問題となったケースもあります。

申告前に確認したい主なポイント

  • 死亡前に多額の現金引き出しがないか
  • 家族名義の口座に被相続人の資金がないか
  • 有価証券や保険を漏らしていないか
  • 生前贈与の加算対象を確認したか
  • 土地の利用状況を適切に評価しているか
  • 海外口座や国外財産を確認したか

相続税では「誰の名義か」だけでなく、「実際には誰の財産だったのか」が重要になる場合があります。

死亡前の預金移動が多い場合は、通帳だけでなく資金の使途まで整理しておくと申告根拠を説明しやすくなります。

相続税を自分で申告する場合と税理士へ依頼する場合を比較する

相続税は必ず税理士へ依頼しなければならないわけではなく、自分で申告することもできます。ただし、財産構成によって難易度は大きく異なります。

比較項目 自分で申告 税理士へ依頼
費用 税理士報酬を抑えられる 報酬が必要
財産評価 自分で資料収集・計算する 専門家が評価を検討する
特例 適用条件を自分で確認する 適用可否を個別に検討できる
税務署対応 自分で対応する 契約内容に応じて税理士が対応する

国税庁の「相続税の申告要否判定コーナー」は、おおよその申告要否を確認するためのものであり、相続税申告書そのものを作成するサービスではありません。

預貯金中心で財産関係がシンプルな場合は自分で進めやすい一方、土地、賃貸不動産、非上場株式、生前贈与などがある場合は税理士への相談を検討すると安心です。

相続税申告は死亡を知った日の翌日から10か月以内に行う

相続税の申告・納付期限は、原則として亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。通常は死亡日と相続開始を知った日が同じため、死亡日の翌日から数えます。

例:1月6日に死亡した場合、原則として11月6日が申告期限

申告期限の日が土曜日・日曜日・祝日などに当たる場合は、その翌日が期限となります。期限後申告や税額を少なく申告した場合には、加算税や延滞税が生じることがあるため注意が必要です。

10か月を無理なく使うための目安

  • 早い段階で相続人を確定する
  • 預金・不動産・保険を一覧化する
  • 相続税申告の要否を概算する
  • 不動産評価と遺産分割を進める
  • 納税資金まで含めて期限前に確認する

目黒区・自由が丘周辺の相続税申告は早めに提出先と財産を整理する

亡くなった方が死亡時に目黒区に住んでいた場合、相続税の申告先は原則として目黒税務署です。目黒税務署の管轄区域は目黒区全域と案内されています。

ただし、2026年7月10日以降、目黒税務署へ申告書等を書面で郵送する場合は、東京国税局大手町業務センターが郵送先として案内されています。税務署への持参と郵送では提出先住所が異なるため注意しましょう。

目黒・自由が丘周辺では、自宅の土地、賃貸物件、共有不動産などを含む相続もあります。税務署を確認するだけでなく、不動産評価、生前贈与、預金移動まで整理して相続税申告の要否を判断することが大切です。

自由が丘周辺で「相続税が必要かわからない」「税務署からお尋ねが届いた」「自分で申告できるか迷っている」という場合は、申告期限まで余裕がある段階で相続税を扱う税理士へ相談すると、その後の手続きを整理しやすくなります。

相続税と税務署に関するよくある質問

Q1. 相続税は相続人の住所地の税務署へ提出しますか?

いいえ。原則として、亡くなった方の死亡時の住所地を管轄する税務署へ提出します。

相続人の住所や、相続した不動産の所在地で決まるわけではありません。

Q2. 相続税申告書は税務署へ郵送してもよいですか?

郵送による提出も可能です。

ただし、地域によって業務センターが郵送先となっている場合があります。所轄税務署の最新情報を確認しましょう。

Q3. 税務署で相続税の計算を相談できますか?

相続税の制度や申告方法、財産評価などについて相談できます。

具体的な書類や事実関係の確認が必要な相談は、所轄税務署で事前予約による面接相談を利用できる場合があります。

Q4. 税務署からお尋ねが届いたら税務調査ですか?

必ずしも税務調査ではありません。

税務署は文書や電話などによる確認も行っており、税務調査とは区別されています。届いた書類の名称と内容を確認しましょう。

Q5. 相続税は自分で申告できますか?

自分で申告することは可能です。

ただし、不動産評価、生前贈与、名義預金、各種特例などが関係すると判断が難しくなるため、必要に応じて税理士へ相談しましょう。

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