【税理士監修】相続税の税務調査とは?選ばれる確率と指摘されやすい3つのポイント

2026年02月01日

こんにちは!相続サポート倶楽部です。相続税申告が無事に完了してホッと一息ついた頃、忘れた頃にやってくるのが税務署による「税務調査」です。

突然、税務署から「相続税の調査に伺いたい」と電話連絡が来たら、どのようなご家族であっても不安で夜も眠れなくなるものです。「我が家の相続税申告に何か不備があったのだろうか?」「税務調査に選ばれてしまうと、どのようなペナルティがあるのか分からない」という悩みや恐怖は、多くの方が直面する大きな課題と言えます。実は、相続税申告書を提出した人のうち、およそ10人に1人が税務調査の対象に選ばれているのが実態です。

本記事では、目黒・自由が丘エリアで数多くの相続税申告や税務調査立ち合いを円満に解決してきたプロの税理士が監修し、相続税の税務調査に選ばれやすい家庭の特徴、調査当日の具体的なタイムスケジュール、そして税務署から申告漏れとして指摘を受けやすい財産の種類を分かりやすく解説します。税務調査を回避するための事前準備や、税理士に依頼するメリットまで具体的に理解できる内容です。

この記事は、以下のような状況にあるご家族にぜひ最後まで読んでいただきたい内容です。

  • 相続税申告を終えたばかりで、税務署から税務調査が来ないか毎日ビクビクしている方
  • 税務署から実際に税務調査の電話がかかってきてしまい、どう対応すべきかパニックになっている方
  • これから相続税申告を行うが、将来の税務調査リスクを最小限に抑える対策を知りたい方

相続税の税務調査の実態を正しい知識で正確に把握することで、過度な不安を取り除き、万全の体制で備えを進めていきましょう。不動産や預貯金の税務調査に少しでも不安を抱えている目黒・自由が丘エリアのご家族は、ぜひ最後まで読んでみてください!


相続税の税務調査に選ばれる確率と時期の目安!相続税申告後のボーダーライン

結論から申し上げますと、相続税の税務調査は、相続税申告書を税務署へ提出してから「1年〜2年後」の秋(8月〜11月頃)に行われるケースが一般的となります。

1年〜2年後の秋に行われる理由は、税務署の社内において7月に大規模な人事異動があり、新体制となった8月以降から本格的に税務調査の選定業務が開始されるためです。税務署は提出された相続税申告書の内容を、亡くなった方の過去の収入データや、銀行照会によって入手した家族名義の口座履歴と徹底的に照らし合わせ、不自然な点がある確定申告書をじっくりと選定しています。統計としては、相続税申告を行ったご家庭の約10%〜15%の確率で税務調査の対象に選ばれており、実際に税務調査が実施された場合は、約8割という高い確率で何らかの申告漏れや追徴課税が指摘されています。

相続税の税務調査の対象として税務署から選ばれやすいケースをまとめた一覧表は以下の通りです。WordPressの仕様に準じた表ですので、現状のチェックにご活用ください。

税務署の選定基準 具体的なご家庭の特徴
高額な資産家である場合 遺産総額が数億円を超える場合、税務署内の「資産税専門の調査官」によるチェックが非常に厳しくなります。
生前の収入と遺産の不一致 亡くなった方の生前の高い年収や不動産売却益に対して、申告された預貯金の総額が少なすぎる場合です。
家族名義の不自然な資産 専業主婦である配偶者や、若い子供・孫の口座に、収入に見合わない多額の預貯金が存在している場合です。
直前の多額の現金引き出し 死亡する直前の数ヶ月間に、銀行口座から数百万円単位の使途不明な現金が引き出されている場合です。

【税理士の実務エピソード】高年収のドクターの遺産額に目を光らせた税務署

私が以前に目黒区内で立ち会った相続税の税務調査の実務事例を紹介します。亡くなったお父様は生前に高年収の開業医(ドクター)として活躍されており、誰もが認める資産家でした。しかし、提出された相続税申告書に記載されていた預貯金の額は、わずか1,000万円という生活水準から考えて明らかに不自然な数字だったのです。税務署は国税総合管理システム(KSK)を活用し、「生涯で稼いだはずの数億円の現金はどこへ消えたのか」と強い疑問を持ち、税務調査を即座に決定しました。調査の結果、お父様が税金対策のつもりで家族名義の口座に分散させていた多額の現金が発見され、厳しい追徴課税が課される結果となりました。このように、生前の生活水準や収入に対して、相続税申告された遺産のバランスが取れていない場合は、税務調査のターゲットに選ばれやすい行動と言えます。


税務調査で最も厳しくチェックされる名義預金やタンス預金の注意点

税務調査官がご家庭に訪問した際、最も時間をかけて厳しく確認を行うのが、意図的であるか過失であるかを問わず「隠されている財産」の有無です。

隠されている財産が狙われる理由は、日本の相続税において、申告漏れとして指摘される財産の約9割が「預貯金・現金」で占められているという明確なデータが存在するためです。税務署はあらかじめ家族全員の過去10年分以上の口座履歴を金融機関から取り寄せて、すべて把握した状態で税務調査にやってきます。特に以下のポイントは、税務調査官から必ずと言っていいほど追及される重い注意点となります。

税務調査で指摘を受けやすい具体的な財産項目

  • 家族の名前を借りただけの「名義預金(めいぎよきん)」:
    口座名義が子供や孫になっていても、実際のお金を出したのが被相続人であり、通帳や印鑑の管理も被相続人が行っていた場合は、実質的な被相続人の資産として相続税の課税対象になります。
  • 自宅に保管されている「タンス預金」:
    銀行から引き出されて自宅の金庫や引き出し、本棚の裏などに隠されている現金は、税務署の過去の出金データから確実に見推測されています。税務調査当日は、これらの現物を直接確認されるケースがあります。
  • 死亡直前の「使途不明な現金の引き出し」:
    亡くなる直前に、葬儀費用や入院費の名目で口座から引き出された現金のうち、死亡日時点で手元に残っている現金は、手許現金(てもとげんきん)として相続財産に加算して申告する必要があります。
  • 過去の不動産売却益や生命保険金の行方:
    「10年前に実家の土地を売却した際のお金が、現在の預金残高に残っていないのはなぜか」といった、非常に古い資産の移動履歴まで遡って質問されるのが、相続税の税務調査の特徴です。

(Q&A)子供名義の口座のお金はすべて名義預金になりますか?

Q:子供名義の口座のお金は、すべて名義預金として相続税の対象になってしまいますか。

A:名義が子供であっても、実質的な管理者が被相続人であった場合は、名義預金と判定されます。
名義預金に該当するかどうかは、「口座の資金の出どころは誰か」「その通帳や印鑑、キャッシュカードを実際に管理・使用していたのは誰か」「子供自身がその口座の存在と金額を正しく知っていたか」という実態から総合的に判断されます。もし生前に正しい贈与契約書を作成しておらず、子供が通帳の存在すら知らなかった場合は、税務調査で名義預金として確実に課税対象になりますので、生前からの正しい贈与の手続きが極めて重要です。

預金口座が税務調査で狙われるかどうかの判断フロー

  1. 被相続人名義の預金か ➔ 原則として、すべて相続税の課税対象の遺産になります。
  2. 家族名義の預金口座か ➔ 口座の中にある資金の真の拠出者が誰であるかを確認します。
  3. 家族名義の口座の通帳や印鑑を誰が管理していたか ➔ 被相続人が管理していた場合は名義預金として相続税の対象になります。
  4. 生前に有効な贈与契約書が作成されていたか ➔ 書面が存在せず、贈与税の申告もしていない場合は課税リスクが非常に高くなります。
  5. 過去の出金履歴の使途を説明できるか ➔ 使途不明な引き出しがある場合は、タンス預金や名義預金を疑われ税務調査に発展します。

相続税の税務調査当日のスケジュールと注意すべき振る舞いや対策

一般的な相続税の税務調査(任意調査)は、朝の10時から夕方の16時頃まで、丸一日かけて被相続人の自宅や税理士事務所を会場にして行われます。

丸一日かけて行われる理由は、税務調査官が午前中の「雑談(ヒアリング)」を通じて、相続人の人柄や故人の生前の生活状況、闘病生活の様子、誰が財産の管理実務を行っていたかという外堀を埋める証拠集めを行うためです。一見すると関係のない世間話のように聞こえる質問のすべてが、名義預金や隠し財産の存在を見極めるための高度な調査テクニックであると心得ておく必要があります。相続人は、冷静かつ誠実に対応を行うための正しい対策を講じる行動が求められます。

税務調査当日に相続人が注意すべき振る舞いのポイント

税務調査当日に相続人が注意すべき振る舞いの1つ目は、税務調査官からの質問に対しては「知っている事実のみ」を正確に答え、余計な推測や嘘のストーリーを話さないように徹底する点です。良かれと思って口にした「たぶん実家の金庫のお金はお父さんが管理していたと思います」といった曖昧な一言が、名義預金や申告漏れを確定させる決定打になってしまう事例が多々あります。2つ目のポイントは、質問された内容に対して分からないことがあれば、適当に話を合わせるのではなく「今は分かりませんので、調べてから後日回答します」とはっきり伝える点です。その場を取り繕うために適当な回答をしてしまい、後から税務署が持つ銀行口座の証拠書類と矛盾が生じることが、税務調査官の不信感を買う最大の原因となります。3つ目のポイントは、相続税申告の手続きを依頼した「相続に強い税理士」に、必ず調査当日の立ち合いを依頼しておく点です。税理士が同席していれば、税務調査官からの法的に不当な質問や誘導尋問をその場で制止してくれますし、複雑な税法の解釈については相続人の代わりに専門用語を使って反論してくれるため、精神的なストレスを劇的に減らすことができます。4つ目のポイントは、税務調査官に対して感情的になって威圧的な態度を取ったり、逆に過度なお土産や接待を行ったりしないように注意する点です。淡々と、誠実に求められた資料を提示する行動こそが、税務調査の期間を最短で終わらせ、加算税などのペナルティの交渉においても有利に働く結果に繋がります。

以前に自由が丘エリアにお住すごすご家族で、税理士を同席させずにご自身たちだけで税務調査に対応されたお客様がいらっしゃいました。相続人の方は税務調査官の巧みな質問のペースに完全に飲み込まれてしまい、本来であれば相続税がかからないはずの「過去に生活費として実政的にもらっていた現金」まで、すべて「お父様からの無断の贈与(名義預金)だ」と認めさせられてしまったのです。後から修正することは極めて困難であるため、プロのガード(税理士の立ち合い)の有無によって、最終的な納税額が数百万円から数千万円も変わってしまう事例は実務上全く珍しくありません。


相続税の税務調査リスクを劇的に減らす税理士の事前準備と書面添付制度のメリット・デメリット

そもそも税務署の税務調査官を自宅に来させないための最強の事前対策として、相続税申告の際に「書面添付制度(税理士法第33条の2)」を導入して申告書を提出する方法が非常に有効となります。

書面添付制度の導入が有効である理由は、税理士が「この相続税申告書は、家族の過去の預金履歴をこれだけ細かく精査し、名義預金の有無もプロの目で確認して作成した信頼できる書類です」という品質保証書(書面)を申告書に添付して提出できるためです。この書面が添付されていると、税務署がご家庭にいきなり税務調査の連絡をする前に、まずは担当税理士に対して税務署内で意見を聴取する「意見聴取(いけんちょうしゅ)」のステップを挟むことが法律で義務付けられています。税理士が税務署の疑問に対して書面や口頭で完璧に回答できれば、自宅への税務調査そのものが完全に省略(免除)されるという画期的な仕組みです。

書面添付制度を導入して相続税申告を行う具体的なメリット

書面添付制度を導入するメリットの1つ目は、税務署から税務調査の対象として選ばれる確率を、統計的に数分の一以下という非常に低い水準にまで抑え込める点です。税務署の心理としても、相続専門の税理士が細部まで厳しくチェックを完了させている申告書については、あえて多大な人手をかけて自宅まで調査に行く必要性がないと判断しやすいためです。メリットの2つ目は、事前の意見聴取の段階で税務署の疑問がすべて解消されれば、自宅へのリアルな税務調査は完全に回避(不選定)される点です。これにより、家族が税務調査官と直接対峙する強烈な精神的プレッシャーから解放され、自宅の金庫や通帳、私生活を覗かれる心配が一切なくなります。メリットの3つ目は、万が一、意見聴取の段階で計算違いや新たな財産の申告漏れが発覚した場合であっても、重いペナルティである「過少申告加算税(10%〜15%)」が法律上1円も課されないという点です。自宅への税務調査が始まる前に自主的に修正申告を行った扱い(自主修正)になるため、支払う税金を最小限の「延滞税」だけで済ませられるという破格の経済的メリットがあります。メリットの4つ目は、相続人同士の遺産分割協議において、税理士によるお墨付きの財産目録がベースになるため、親族間での「本当にこれで遺産の隠し事はないのか」という疑心暗鬼のトラブルを未然に防ぎ、円満な合意形成を強力に後押しできる点です。

書面添付制度を導入して相続税申告を行う具体的なデメリット

書面添付制度を導入するデメリットの1つ目は、税理士が過去10年分以上の膨大な預金通帳の入出金履歴を1行ずつチェックし、名義預金の危険性がないかを精緻に調べるため、申告書が完成するまでに多くの時間と手間がかかる点です。資料収集のご協力を相続人様にもお願いすることになるため、急いで適当に申告を終わらせたいというご家庭には不向きな手法となります。デメリットの2つ目は、通常の相続税申告の基本報酬とは別に、書面添付制度を利用するための「追加の税理士費用(報酬の10%程度など)」が別途発生するケースが多い点です。事前のコストは高くなりますが、将来の税務調査で追徴課税を課されるリスクを天秤にかければ、十分に元が取れる安心の保険と言えます。デメリットの3つ目は、すべての税理士事務所がこの書面添付制度に対応しているわけではないという点です。書面添付制度は、万が一内容に虚偽の記載があれば税理士自身が業務停止などの重い懲戒処分を受けるリスクを背負うため、相続の実績が乏しい一般的な税理士は書面の添付を嫌がる傾向にあります。デメリットの4つ目は、書面添付制度を付けたからといって、税務調査の確率をゼロ(100%来ない状態)にできるわけではないという点です。あまりにも生前の出金額が多すぎる場合などは、意見聴取を経た上でやはり自宅への税務調査へと移行することがあるため、過度な過信は禁物となります。


まとめ

相続税の税務調査は、決して「自分たちのような普通の家庭には関係のないこと」ではありません。税務署は国税総合管理システム(KSK)や金融機関への強力な照会権限を駆使し、私たちが想像している以上に、家族全員の名義預金の動きや直近の出金履歴を正確に把握した上で税務調査のターゲットを選定しています。調査官が自宅にやってくるという事実だけで、ご遺族にとっては非常に大きな精神的ストレスとなりますが、申告の段階から正しい知識で正しく備えを行っていれば、決して過度に恐れる必要はありません。

最も大切なことは、相続税申告書を税務署へ提出する前の段階において、将来の税務調査をあらかじめ見据えて「怪しいと疑われやすい部分」をプロの視点で徹底的に精査し、対策を講じておくことです。万が一、税務署から調査の連絡が来てしまった後であっても、実績が豊富な相続専門の税理士に当日の立ち合いを依頼することで、税務調査官の不当な指摘を退け、冷静かつ公平な税務判断を求めることが可能になります。

相続サポート倶楽部では、目黒・自由が丘エリアを拠点に、地域密着で数多くの相続税申告と税務調査の立ち合いをワンストップでサポートしてまいりました。当事務所では、そもそも税務調査を極力来させないための「書面添付制度」の導入に非常に強いこだわりを持って取り組んでいるほか、万が一の税務調査当日も、経験豊富なベテラン税理士がお客様の強力な盾となって、税務署とのタフな交渉を最後まで徹底的にサポートいたします。提携する司法書士や弁護士とも緊密に連携しているため、実家の名義変更からトラブル解決まで一挙に解決できる体制が整っております。「税務署からお尋ね書類や調査の電話が届いて不安で仕方がない」「これから提出する相続税申告書の完成度に自信がない」という目黒・自由が丘エリアのご家族は、ぜひお気軽に当事務所の無料個別相談へご連絡ください。大切なお一人の財産と、ご家族の平穏な暮らしを全力でお守りいたします。

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