世田谷区の相続税|管轄税務署(世田谷・北沢・玉川)と土地評価の注意点を相続専門税理士が解説

2026年09月03日

世田谷区は23区の中で最も人口が多く、戸建て住宅が多い地域です。土地の評価額が高くなりやすいため、「うちは普通の家庭だから相続税は関係ない」と思っていた方が、実は申告の対象になるケースが珍しくありません。この記事では、世田谷区で相続が起きたときの申告先の税務署、世田谷区の土地ならではの評価のポイント、区役所で必要な手続きをまとめて解説します。

この記事のポイント

  • 相続税の申告先は亡くなった方の最後の住所地を管轄する税務署(世田谷区内は3署)
  • 東京都の相続税の課税割合は20.0%(令和6年分)で全国平均10.4%の約2倍
  • 世田谷区の土地は、広い土地・セットバック・生産緑地などで評価が下がる余地が大きい
  • 申告期限は相続開始を知った日の翌日から10か月以内

世田谷区の相続税はどこの税務署に申告する?

相続税の申告書は、相続人の住所ではなく、亡くなった方(被相続人)の住所地を管轄する税務署に提出します。世田谷区内は町名によって世田谷税務署・北沢税務署・玉川税務署の3つに分かれています。

相続人が区外や海外に住んでいても、提出先は被相続人の住所地の税務署です。町名ごとの管轄は次のとおりです。

税務署 管轄する主な町名
世田谷税務署 池尻、上馬、上祖師谷、喜多見、砧、駒沢、桜、桜丘、三軒茶屋、下馬、成城、世田谷、祖師谷、太子堂、弦巻、野沢、三宿、若林
北沢税務署 赤堤、梅丘、大原、粕谷、上北沢、北烏山、北沢、給田、経堂、豪徳寺、桜上水、代沢、代田、千歳台、八幡山、羽根木、船橋、松原、南烏山、宮坂
玉川税務署 宇奈根、大蔵、岡本、奥沢、尾山台、鎌田、上野毛、上用賀、砧公園、駒沢公園、桜新町、新町、瀬田、玉川、玉川台、玉川田園調布、玉堤、等々力、中町、野毛、東玉川、深沢、用賀

※管轄は変更されることがあります。提出前に国税庁ホームページ(東京国税局「税務署の所在地などを知りたい方」)でご確認ください。

世田谷区で相続税がかかりやすい理由

国税庁の公表によると、令和6年分の相続税の課税割合(亡くなった方のうち相続税の申告で税額が生じた人の割合)は全国で10.4%、東京都では20.0%でした。東京都では5人に1人の相続で相続税がかかっている計算です。 世田谷区は住宅地の地価が高く、ご自宅の土地だけで基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えることがよくあります。例えば相続人が子2人の場合、基礎控除は4,200万円です。100㎡の土地でも路線価が45万円/㎡なら評価額は4,500万円となり、土地だけで基礎控除を超えてしまいます。

世田谷区の土地で見落としやすい評価減のポイント

相続税の土地評価は、路線価に面積を掛けて終わりではありません。形や道路の状況に応じた補正によって、評価額が大きく下がることがあります。世田谷区で特に見落としやすいのは次の4つです。

① 地積規模の大きな宅地(広い土地)

三大都市圏では500㎡以上の土地で、容積率などの要件を満たすと「地積規模の大きな宅地」として評価を下げられます。東京23区では容積率300%未満であることが要件の一つです。成城・岡本・深沢などの広い邸宅地では必ず検討したい項目です。

② セットバックが必要な土地

前面道路の幅が4m未満のいわゆる「2項道路」に接する土地は、将来建て替える際に道路として提供する部分(セットバック部分)の評価を70%減額できます。古くからの住宅街に多いケースです。

③ 生産緑地

世田谷区には今も生産緑地が残っています。生産緑地は、区への買取りの申出ができるまでの期間などに応じて評価を減額します。農地の納税猶予を使うかどうかも含め、専門的な判断が必要です。

④ 不整形地・がけ地・私道

旗竿地や台形の土地、高低差のある土地、共有の私道なども評価減の対象です。現地を確認しないとわからない要素が多く、税理士によって評価額に差が出やすい部分です。

土地評価は「どの補正を、どう適用するか」で数百万円単位の差が出ることがあります。すでに申告を済ませた方でも、5年以内なら更正の請求で払い過ぎた相続税を取り戻せる可能性があります。

世田谷区役所・まちづくりセンターでの主な手続き

手続き 期限の目安
死亡届の提出 死亡を知った日から7日以内
国民健康保険・後期高齢者医療の資格喪失、保険証の返却 14日以内
介護保険の資格喪失 14日以内
葬祭費の申請(国保・後期高齢者医療) 葬儀を行った日の翌日から2年以内

このほか、年金の停止、預貯金の解約、相続登記(相続を知った日から3年以内の申請義務)、準確定申告(4か月以内)など、期限のある手続きが続きます。全体の流れは期限のある手続きで確認できます。

世田谷区の相続税申告を税理士に依頼するときのポイント

  • 土地評価の経験が豊富か:現地調査や役所調査を行うかを確認しましょう
  • 書面添付制度に対応しているか:税務調査の可能性を下げる効果が期待できます(当事務所の実施率は99.9%)
  • 料金が明確か:土地の数や相続人の数による加算の有無を事前に確認しましょう

相続発生から申告までの10か月のスケジュール

時期の目安 やること
〜7日 死亡届の提出、葬儀
〜14日 健康保険・介護保険の資格喪失、年金の受給停止
〜1か月 遺言書の有無の確認、戸籍の収集による相続人の確定
〜3か月 財産・借金の調査。相続放棄・限定承認の判断(期限は3か月)
〜4か月 準確定申告
〜6か月 土地の現地調査・役所調査、財産評価、相続税の試算
〜8か月 遺産分割協議(二次相続も見据えた分け方の検討)、納税資金の準備
〜10か月 相続税の申告・納付

世田谷区の相続では土地の評価に時間がかかることが多く、6か月を過ぎてからのご依頼では、分け方の検討に十分な時間が取れないことがあります。四十九日が過ぎた頃には一度ご相談いただくのが理想です。

世田谷区の相続でよくあるご相談

  • 親が住んでいた奥沢の実家を売りたい:売却時の譲渡所得税は「空き家の3,000万円特別控除」などで軽減できる場合があります。詳しくは相続した実家を売るときの税金をご覧ください。
  • 土地は広いが現金が少なく、納税資金が足りない:延納・物納や、土地の一部売却などを検討します。
  • 兄弟で実家をどう分けるかまとまらない:現物分割・代償分割・換価分割の選択肢を、税金も含めて比較します。
  • 親が老人ホームに入っていた:要件を満たせば、元の自宅の敷地にも小規模宅地等の特例を使えます。

まとめ

世田谷区の相続税申告は、亡くなった方の住所によって世田谷・北沢・玉川のいずれかの税務署に提出します。土地の評価額が高くなりやすい一方、広い土地・セットバック・不整形地などの補正で評価を下げられる余地も大きい地域です。10か月の期限を見据え、早めに財産の全体像を把握しましょう。 当事務所は自由が丘駅から徒歩7分。奥沢・玉川田園調布・東玉川・尾山台・等々力など世田谷区南部からは特にアクセスしやすい立地です。世田谷区の相続について詳しくは世田谷区で相続税申告のご相談ならもご覧ください。

参考:国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」、東京国税局「東京都世田谷区・杉並区」管轄区域

よくある質問

Q. 世田谷区に住む親が亡くなり、相続人の私は神奈川県在住です。どこの税務署に申告しますか?

A. 亡くなった方の住所地を管轄する税務署です。世田谷区内の町名に応じて、世田谷税務署・北沢税務署・玉川税務署のいずれかに提出します。

Q. 相続税の申告期限はいつですか?

A. 相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。期限を過ぎると無申告加算税や延滞税がかかる場合があります。

Q. 世田谷区の自宅だけで相続税がかかることはありますか?

A. あります。土地の評価額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えれば申告が必要です。小規模宅地等の特例で税額を大きく減らせる場合があります。

この記事の監修者 税理士 浅野 和治(相続サポート倶楽部 代表/浅野税務会計事務所) 1970年開業の浅野税務会計事務所を母体に、目黒区・世田谷区・品川区を中心とした相続税申告・相続手続き・生前対策をサポート。累計相談実績10,000件以上。税務調査に備えた書面添付制度の実施率99.9%。 プロフィールを見る
奥沢・玉川田園調布・等々力・尾山台など、世田谷区南部からは当事務所(自由が丘)が便利です。 自由が丘駅から徒歩7分・駐車場あり。初回相談は無料です。 0120-655-841 受付時間 平日9:00~18:00 無料相談を予約する料金表を見る

※本記事は2026年9月30日時点の法令・公表資料に基づいて作成しています。個別の判断は税理士にご相談ください。

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