【2026年】年内にやるべき生前贈与・相続対策|12月31日が期限の制度と目黒区・世田谷区での注意点
2026年10月08日
10月を過ぎると、「今年のうちに子どもや孫へ贈与しておきたい」というご相談が増えてきます。贈与税の非課税枠の多くは1月1日から12月31日までの1年単位で計算するため、年内に動くかどうかで使える枠が変わります。この記事では、2026年中に検討したい生前贈与・相続対策を、期限と注意点に絞って整理します。
この記事の結論
- 暦年贈与の110万円、相続時精算課税の110万円は、どちらも年ごとの枠で、使わなかった分は翌年に繰り越せない
- 住宅取得等資金の贈与の非課税(最大1,000万円)は、2026年12月31日までの贈与が対象
- 教育資金の一括贈与の非課税は2026年3月31日で終了。結婚・子育て資金は2027年3月31日まで
- 年末ぎりぎりの振込は、着金が翌年になると翌年の贈与として扱われるおそれがある
なぜ「年内」が大切なのか
贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に受け取った財産の合計に対してかかります。年110万円の基礎控除も1年ごとの枠なので、今年使わなければ今年の分はなくなります。
例えば、子2人と孫2人に毎年110万円ずつ贈与すると、1年で440万円を非課税で移せます。10年続ければ4,400万円です。一方、2026年に贈与をしなかった場合、その年の440万円分の枠は使えないまま終わります。生前贈与は「早く・長く」続けるほど効果が出る対策です。
2026年12月31日が区切りになる主な制度
| 制度 | 内容 | 期限・区切り |
|---|---|---|
| 暦年贈与の基礎控除 | 受贈者1人あたり年110万円まで贈与税がかからない | 毎年12月31日 |
| 相続時精算課税の基礎控除 | 年110万円まで贈与税がかからず、相続財産にも加算されない | 毎年12月31日 |
| 住宅取得等資金の贈与の非課税 | 父母・祖父母からの住宅資金。省エネ等住宅は1,000万円、それ以外は500万円まで非課税 | 2026年12月31日までの贈与(延長されるかは今後の税制改正で決まる) |
| 結婚・子育て資金の一括贈与 | 金融機関を通じて最大1,000万円(結婚費用は300万円まで) | 2027年3月31日までの贈与 |
| 教育資金の一括贈与 | 新たな拠出による非課税は受けられない | 2026年3月31日で終了 |
住宅取得等資金の非課税は、贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅を取得し、住み始めることなどが条件です。また、税額が0円でも贈与税の申告が必要です。来年以降も続くかは、例年12月に公表される税制改正大綱で示されます。住宅購入の予定がある方は、2026年中の贈与を前提に計画しておくと安心です。
年内の暦年贈与で押さえたい4つのポイント
① 着金日で判断される
現金の贈与は、受け取った人の口座に着金した日が贈与の日と考えるのが一般的です。12月30日・31日の振込は金融機関の休業日にかかり、着金が翌年になることがあります。12月上旬までに振込を終えるのが安全です。
② 贈与契約書を残す
贈与は「あげる」「もらう」という双方の合意で成立します。毎年、日付・金額・当事者の署名が入った贈与契約書を作成し、受贈者本人の口座に振り込みましょう。
③ 通帳と印鑑は受け取った人が管理する
親が子名義の口座をつくり、通帳や印鑑を親が持ったままにしていると、相続のときに「名義預金」として親の財産と判断されるおそれがあります。判断基準は名義預金とは?で解説しています。
④ 相続開始前7年以内の贈与は加算される
相続や遺贈で財産を受け取る人(子など)への暦年贈与は、相続開始前7年以内の分が相続財産に加算されます(2024年1月以後の贈与から段階的に延長)。一方、相続で財産を受け取らない孫などへの贈与は、原則として加算の対象外です。ご高齢の方は、孫への贈与や相続時精算課税の活用もあわせて検討しましょう。詳しくは生前贈与とは?年間110万円・7年ルールをご覧ください。
110万円を超えて贈与する場合の税額
110万円を超えて贈与しても、税額が思ったより小さいことがあります。父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与(特例贈与)の場合、基礎控除後の金額が200万円以下なら税率は10%です。
| 1年間の贈与額 | 基礎控除後 | 贈与税(特例税率) |
|---|---|---|
| 110万円 | 0円 | 0円(申告不要) |
| 210万円 | 100万円 | 10万円 |
| 310万円 | 200万円 | 20万円 |
相続税の税率が20〜30%になりそうなご家庭では、あえて110万円を超えて贈与し、低い贈与税率で早めに財産を移すほうが、トータルの税負担が軽くなることもあります。
贈与以外に年内に確認しておきたいこと
- 相続税の概算:令和8年分の路線価は城南エリアで大きく上がっています。自宅の評価額が上がり、相続税がかかるご家庭になっていないか確認しましょう(令和8年分 城南エリアの路線価)
- 生命保険の受取人:死亡保険金は「500万円×法定相続人の数」まで非課税です。受取人の指定が古いままになっていないか確認しましょう
- 遺言書:ご家族が集まる年末年始は、財産の分け方を話し合うよい機会です
- 賃貸不動産の購入:令和8年度税制改正大綱で、相続前5年以内に取得した貸付用不動産の評価を見直す方針が示されました(2027年1月1日以後の相続から適用予定)。相続対策目的の購入は、事前に試算が必要です
目黒区・世田谷区のご家庭で多いご相談
目黒区・世田谷区では、ご自宅の土地の評価額が高く、預貯金は多くなくても相続税の対象になるご家庭が少なくありません。その場合、現金の贈与だけでは対策が足りないこともあります。
- 自宅は配偶者または同居の子が相続し、小規模宅地等の特例で評価を下げる
- 預貯金は毎年の贈与で少しずつ子・孫に移す
- 納税資金は生命保険で準備する
このように「誰に・何を・いつ渡すか」を組み合わせて考えるのが基本です。目黒区の相続については目黒区の相続・相続税申告、世田谷区は世田谷区の相続・相続税申告のページもご覧ください。
まとめ
生前贈与の非課税枠は1年ごとにリセットされ、住宅取得等資金の非課税は2026年12月31日が現行制度の期限です。年内に贈与を考えている方は、振込が混み合う12月より前に、金額と相手、書類の準備を済ませておきましょう。
参考:国税庁 タックスアンサー No.4402「贈与税がかかる場合」、No.4508「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」、令和8年度税制改正大綱
よくある質問
Q. 12月31日に振り込んだ贈与は今年の贈与になりますか?
A. 着金が翌年になると、翌年の贈与と判断されるおそれがあります。年内の贈与として扱いたい場合は、12月上旬までに振込を終えるのが安全です。
Q. 孫への贈与も相続開始前7年以内なら加算されますか?
A. 孫が相続や遺贈で財産を受け取らない場合は、原則として加算されません。遺言で孫に財産を渡す場合や、孫が死亡保険金の受取人の場合などは加算の対象になることがあります。
Q. 住宅取得等資金の贈与の非課税は2027年も使えますか?
A. 現行制度は2026年12月31日までの贈与が対象です。延長されるかどうかは、例年12月に公表される税制改正大綱で示されます。
Q. 110万円以下の贈与でも贈与契約書は必要ですか?
A. 法律上の義務ではありませんが、贈与があったことを証明するために毎年作成しておくことをおすすめします。
この記事の監修者
税理士 浅野 和治(相続サポート倶楽部 代表/浅野税務会計事務所)
1970年開業の浅野税務会計事務所を母体に、目黒区・世田谷区・品川区を中心とした相続税申告・相続手続き・生前対策をサポート。累計相談実績10,000件以上。税務調査に備えた書面添付制度の実施率99.9%。
年内の贈与は、12月に入ると金融機関の手続きが混み合います。11月中のご相談がおすすめです。
自由が丘駅から徒歩7分・駐車場あり。初回相談は無料です。
0120-655-841
受付時間 平日9:00~18:00
※本記事は2026年10月時点の法令・公表資料に基づいて作成しています。個別の判断は税理士にご相談ください。
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